2027年度からの日商簿記・範囲表(確定版)が発表!主な変更点と対応

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2026年7月31日に、日本商工会議所より、2027年度(2027年4月1日)から適用される「新しい出題区分表(確定版)」が公表されました。
今回の改定は、実務における「紙媒体の手形・小切手の廃止」や、「新しいリース会計基準の適用」に伴う非常に重要な変更となっています。

今後の受験計画に大きく影響する内容ですので、3級~1級までの重要な変更点を分かりやすくまとめました。

 引用:日本商工会議所・出題区分表 https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/exam-list

1.各級の主な変更点まとめ

■ 3級の変更点(手形/小切手廃止と2級からの移行が中心)

紙の手形・小切手の廃止に伴い3級の学習負担が減る分、これまで2級の範囲だった実務的な内容が3級へ移行します。

  • 手形の廃止と再編 「手形」及び「小切手」の項目が完全に削除され、「電子記録債権・債務」や売掛金・買掛金に統合されます。当座預金はまだ利用中の企業があるため引き続き出題されますが、これまでと比べて重要度は低くなります。
  • 売上原価の計上方法の追加 これまでの3分法に加え、「販売のつど売上原価勘定に振り替える方法(いわゆる売上原価対立法)」が2級から移行します。

【例題】商品¥500,000(原価¥420,000)を掛販売した。販売のつど売上原価勘定に振り替える方法による。

(借) 売掛金 600,000 (貸) 売上 600,000
(借) 売上原価 420,000 (貸)  商品 420,000
  • 固定資産の処理の追加 「有形固定資産の除却・廃棄」および「定率法による減価償却」が2級から移行します。(※定率法については200%定率法などの複雑な計算は3級では出題されず、基本的な仕組みを問う内容に限られます)

■ 2級の変更点(新リース会計がメイン)

  • ファクタリング(売掛債権の譲渡)の明確化 2社間・3社間の簡易なファクタリングが明記されました。資金回収時の貸方科目が「預り金」となるなど、実務に則した仕訳処理が明確に規定されています。

【例題1】2社間ファクタリング
 2社間ファクタリングでは、鳥栖商事は当社に代金を支払い、それを当社が九州ファクタリングに支払います。
①得意先鳥栖商事に商品¥600,000を掛けで販売した。

(借) 売掛金 600,000 (貸) 売上 600,000

②上記売上債権を回収するため、(株)九州ファクタリングと2社間ファクタリング契約を締結し、手数料10%を差引いた手取額が当社の普通預金口座に振り込まれた。

(借) 普通預金 540,000 (貸) 売掛金 600,000
  売上債権売却損 60,000      

③鳥栖商事の売掛債権¥600,000の支払期日が到来し、当社の普通預金口座に振り込まれた。

(借) 普通預金 540,000 (貸) 預り金 540,000

④九州ファクタリングに対し、売却した売掛債権の代金を普通預金口座から弁済した。

(借) 預り金 540,000 (貸) 普通預金 540,000

【例題2】3社間ファクタリング
 3社間ファクタリングでは、鳥栖商事が九州ファクタリングに直接代金を支払います。
①得意先鳥栖商事に商品¥600,000を掛けで販売した。

(借) 売掛金 600,000 (貸) 売上 600,000

②上記売上債権を回収するため、(株)九州ファクタリングと3社間ファクタリング契約を締結し、手数料10%を差引いた手取額が当社の普通預金口座に振り込まれた。

(借) 普通預金 540,000 (貸) 売掛金 600,000
  売上債権売却損 60,000      

  • 新リース会計の適用 従来の「ファイナンス・リース」等の区分がなくなり、すべてのリースが原則として資産計上(オンバランス)されます。2級では、基本的に計上する名称が変わっただけと理解して構いません。また、例外処理としての「短期・少額リース(賃貸借処理)」が新設されました。

【例題】新基準リース
 当社は期首にリースで備品を調達し使用を開始した。リース期間は5年、リース料は年額¥400,000(後払い)、利子抜き法により、利息相当額¥800,000は定額法でリース料の支払時に計上する。減価償却は耐用年数5年、残存価額ゼロ、間接法による定額法で行う。
①リース開始時

(借) 使用権資産 1,200,000 (貸) リース負債 1,200,000

②リース料支払時

(借) リース負債 240,000 (貸) 現金預金 400,000
  支払利息 160,000      

③決算時

(借) 減価償却費 240,000 (貸) 使用権資産
減価償却累計額
240,000

【例題】短期・少額リース(1年以内の短期リースや、重要性の乏しいリースは簡便的に賃貸借処理することができる)
 事務所の家賃¥80,000を現金で支払った。当該家賃は、短期リースであるため、賃貸借処理する。

(借) 支払リース料 80,000 (貸) 現金 80,000

■ 1級の変更点

  • 債権譲渡の発展 売掛債権譲渡に伴う「買戻権・遡求義務(リコース義務)」の時価計上が明示されました。なお、この項目は132回の商業簿記などで出題実績がありましたが、改めて明示されました。
  • リース会計の発展 新基準に伴い、「サブリース取引」や「借地権」の取り扱いが明確化されました。なお、貸手の処理(ファイナンス・リース/オペレーティング・リース)は継続して出題されます。
  • その他 会社法の改正等に伴い、「株式引受権」の追加、「中間財務諸表」→「期中財務諸表」への変更など、最新の会計基準に合わせたアップデートが行われています。

2.当サイトの問題集の対応方針について

これだけ大きな試験範囲の変更があると、「今の学習が無駄になってしまうのでは?」と不安に感じている方も多いかもしれませんが、ご安心ください。
神簿記では、受験生の皆様が常に最短ルートで合格を目指せるよう、教材のアップデートに関して以下の対応を徹底いたします。

① 廃止項目の先行除外:紙の手形関連など「将来的になくなる項目」については、2026年度中の出題も減少傾向にあることから、学習負担軽減のため、今後の問題集において順次出題を停止していきます。出ない問題に時間を割く必要はありません。

② 新範囲への完全対応:3級へ移行される論点や、新しいリース会計基準、ファクタリングの仕訳処理など、今回の確定版で発表された修正事項については、2027年1月以降に、これらの内容をすべて反映いたします。

時代の変化に合わせた「本当に実務で使える簿記」の学習を、神簿記が全力でサポートいたします。

3.最新情報を逃さないために!

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